
訪問看護の役割って何?訪問看護の仕事って実際何をするの?
訪問看護って楽しい?やりがいある?

看護師歴10年、元訪問看護師の私が答えます。
ざっくり言うと、
- 訪問看護は、病気を持った人が自分の家や地域で生活するための状態観察や簡単な処置がメイン
- 病院とは違う楽しさとやりがいがある!
あなたがもし訪問看護の仕事内容に興味があれば、ご覧ください。
訪問看護の役割
訪問看護の役割は、疾患を持ちながらも在宅で暮らす人の健康管理です。

病院と違い訪問看護の対象者は「病状は安定しているけど維持のために何らかのケアが必要な人」です。
そのため、訪問看護師は基本的に「異常が起きていないか?」という視点で接することになります。
- 病棟看護=異常がある人の治療がメイン(もしくは検査)
- 訪問看護=異常が起きていないかの観察や、状態維持のための処置がメイン
「病気があっても住み慣れた地域や家で暮らしたい。」という人々の願いを実現する仕事です。
訪問看護の仕事内容
続いて、訪問看護での実際の仕事内容です。
ステーションによって受け入れている疾患や患者層が異なるので一概には言えませんが、一般的なものを並べます。
在宅療養中の人の健康管理
在宅療養中の方の健康管理がメインの仕事です。
- バイタルチェック
- 全身状態の観察
- 症状の有無の観察
対象は老年だったり小児だったり。
時に神経難病や脊損など神経系の疾患の青年層もいます。
必要な看護処置

状態観察だけでなく、看護処置も提供します。
- 褥瘡処置
- 静脈注射
- インスリン注射
- 経管栄養
- 便処置
- 内服管理
- 入浴介助
- ストマ管理
- CVポート管理など
独居の方や、家族が不在の時の処置を実施します。
緊急時の対応

在宅にて急変した場合など、緊急時の対応もします。
医療従事者でない人は急変時、以下のような判断はできません。
- 様子を見たら良いのか
- 救急車を要請するのが良いのか
- 主治医の町医者の診察を受けたら良いのか
その判断をし、最善の選択をできるように援助するのが訪問看護の役割です。
搬送先の病院と主治医の連携を促したり、看護サマリーを提供し病院での生活も支障ないように援助します。
リハビリ
リハビリも訪問看護の仕事の一つです。
訪問リハビリのような専門的なものはできませんが、簡単な筋力トレーニングや歩行は実施します。
医師ケアマネへの状況報告

月末になると報告書を作成し、主治医やケアマネに提出、利用者の様子を伝えます。
また看護計画書も作り、それに沿って看護を展開します。
訪問看護の楽しさ

訪問看護の楽しさは、いろんな患者に会えることです。
病院では、医師の決めた「急性期を脱した状態」でさよなら(退院)ですが、訪問看護はその先を見られます。
- 「病気はこのようにして作られるのか…(内服管理まったくしてないやん)」
- 「地域でこんな症状と共存しながら暮らしている人がいるのか…」
- 「この年でこんなに元気な老人もいるのだなぁ」等
人々のリアルな生活ぶりを見られるのは実に興味深いです。

特に普段接することのない、障害を持った小児~青年層とも接することができ、「身体障碍を抱えながらもどう生きようか?」という彼らのひたむきさには心が動かされます。

こんな時、看護師という仕事の素晴らしさや存在意義を感じられます。
ちなみに、病棟では当たり前に駆使していた知識・技術も在宅ではすごく重宝されます。
私の場合、胃瘻からの内服注入方法を利用者の家族にお伝えしたら、ものすごく感謝されたことがありました。

病棟にいると気が付きませんが、看護技術って、これほど価値のあるものなのです。

訪問看護は、自分の提供する看護に病院よりも価値が感じられる分野であり、看護師としては楽しさがある分野だと思います!
まとめ
以上、訪問看護の仕事内容と役割、楽しさの解説でした。
まとめます。
- 訪問看護の役割:疾患を持ちながら在宅で暮らす人の健康管理
- 仕事内容:①在宅療養中の人の健康管理②簡単な処置③リハビリ④医師ケアマネとの連携
- 訪問看護の楽しさ:①いろんな患者に会えること②自分の技術が病院以上に感謝されること
訪問看護の役割は、看護の本質的な部分だと思います。

些細なことでも感謝されるし、あなたがもし病棟に疲れているなら
おすすめ(笑)。
後悔のないステーション選びが気になる方はこちらをどうぞ。


訪問看護に興味のあるあなたの参考になれば光栄です!
以上、山下智巳でした。
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