
訪問看護やりたいけど、職場選びに失敗したくない!!
どこの訪問看護ステーションなら後悔しない?
病院のステーションの方がいいの?

この記事では、これから訪問看護をしたい看護師さん向け、訪問看護ステーション選びのポイントをお伝えします。
訪問看護ステーションは、様々な運営母体があります。
- 病院付属のステーションは顧客が安定し経営面で安心
- 民間企業母体なら給与や休みが多く条件がよい
という傾向があります。
- この記事で分かる事
- どんな訪問看護ステーションが危険なのか
- 運営母体ごとの訪問看護ステーションの特徴
- ステーション選びで確認すべきこと
危険な訪問看護ステーションとは
初めに、危険な訪問看護ステーションの特徴をお伝えします。
運営母体が医療・介護系ではない
運営母体が医療・介護系ではないステーションは危険度が高いです。

運営母体とは、ステーションを経営する会社のことです。
2021年現在、訪問看護ステーションは日本全国に約13000箇所程あ、右肩上がりに増えています(全国訪問看護事業協会より)。
その背景に訪問看護ステーションは
- 診療報酬が高く、稼げる
- 今後在宅医療の需要がより高まってい
- ステーション設置のハードルが低い
という事情があり、医療系以外の法人もじゃんじゃん手を出している状況です。
しかしその分撤退も多く、同データによれば令和2年内に廃止したステーションは541件。
つまり訪問看護は「稼げそうな分野なので医療・介護系以外の企業も新規参入するが、ノウハウがないため撤退率も高い」事業なのです。
そんなステーションに就職した場合、配置転換を余儀なくされたり、最悪、職を失います。
「経営母体が医療・介護系でない新規参入のステーションは危険」と思ってください。
病院の訪問看護ステーション
逆に、病院の訪問看護ステーションは安心して働ける面が多いです。
病院の訪問看護ステーションのメリット
病院の訪問看護ステーションのメリットを紹介します。

潰れる可能性が低い
病院付属のステーションは、病院という経営母体自体が潰れる可能性が低いので比較的安定していると言えます。
スタッフがベテランで安心
病院付属の訪問看護ステーションで働く看護師さんは、「もともとその病院の病棟勤務だったが育児で夜勤ができないので訪問看護に異動になった人」が結構多いです。
初めて訪問看護をする人にとって、ベテランの先輩のアドバイスやアセスメントは参考になるものです。
経験豊富なベテラン勢がそろいやすいのも病院ステーションの特徴です。
顧客(利用者)獲得が容易
顧客獲得が容易なのも病院内ステーションの大きなメリットです。
なぜなら患者が退院するときに、訪問看護を開始すれば自動的に顧客getになるからです。

一方民間企業の訪問看護ステーションは、顧客獲得のために営業をすることが多いです。
営業とは具体的に、地域のケアマネさんのところを回って自社の訪問看護のサービスを使ってくれるように頼むことです。
営業は結構ダルイので、営業の必要がないことは病院の訪問看護ステーションの大きなメリットです。
連携する医師や病院が決まっており安心
訪問看護とはいえ、急変時は医師に指示を仰ぐ必要があります。
町医者が主治医の場合、夜に先生に電話がつながらなかったり、救急搬送の場合受け入れ先の病院を探すのに苦労することがあります。
病院のステーションはその点、医師・病院との連携がクリアであり急変時の対応もはっきりしているため、現場の看護師としては動きやすいと言えます。
病院内保育園がある
病院内の訪問看護ステーションなら、病院併設の保育園がある場合お子さんを預かってもらえるメリットがあります。

保育園探しで苦労する親御さんも多い中、院内保育園は大きなメリットの一つです。
病院の訪問看護ステーションのデメリット
病院の訪問看護ステーションにもデメリットがあります。
条件面で民間企業に劣る
給料や年間の休みの数など条件面では民間企業の方が優れていることがあります。
訪問看護ステーションに配属されない可能性がある
これが最大のデメリットですが、訪問看護ステーション希望と言っても、病棟に配属される可能性があります。
また、訪問看護ステーションに配属後、病院内の人事で異動になる事もあります。
(※逆に言えば、訪問看護が合わなかった場合異動を希望し、退職や転職活動を行わなくて済むというメリットではあります)
大手企業の訪問看護ステーション
民間企業でも、訪問看護の大手なら安心して働けます。
訪問看護ステーションの大手とは、強いて言えば
- セントケア
- ツクイ
- セコム
が売り上げ高も大きく収益も増加傾向で、居宅系事業の歴史も20年ほどあり大手かつ安心と言えそうです(データ:介護のみらいラボ)。
会社自体が有名でも、訪問看護から撤退した例がありますので居宅事業の歴史が20年はあり軌道に乗っていることは外せない条件です(例:外食産業で有名なワタミは設立から10年ほどで介護事業を売却)。
民間企業大手のメリット
民間企業大手の訪問看護ステーションのメリットです。
雇用条件が良い
病院よりも給与や年間休日が多いなど、待遇・条件が良い傾向があります。

異動の心配がない
病院のように、希望しない部署への異動の心配は基本的にありません。
「夜勤ができないから訪問看護を希望したのに、病棟に配属された!」などと言うことはありません。
とはいえ、介護系に広く展開している他の介護事業に配置転換、ということもあり得るので注意が必要です。
民間企業大手のデメリット
民間企業大手の訪問看護ステーションのデメリットです。

撤退する可能性もある
新規参入と撤退が多い民間企業の訪問看護ステーションは、事業撤退する可能性もゼロではありません。
医療者以外がトップの可能性があり、振り回される
大手であろうと民間企業の訪問看護ステーションの場合、会社のトップは医療従事者ではないため、現場の看護師の考えは分かってくれません。
また病院以上に利益目的に動くため、利益を優先した働きを強いられる可能性があります。
私がかつて在籍したステーションは、コロナ禍でも対面の営業を継続させられました。
連携先にとっても迷惑ですよね…(;^ω^)
病院やケアマネとの連携に苦労する
病院やケアマネなど外部とのコネクション形成・維持も民間企業だと苦労します。
病院だとやる必要のない営業を、民間企業の訪問看護ステーションではやり続ける必要があり、それに抵抗感を感じる看護師さんは多いです。
まとめ
以上、訪問看護ステーション選びのポイントでした。
まとめます。
- 営業の必要がなく、先輩看護師の質も高い。
- ただし配属先は絶対ではないし異動もある⇒病棟や夜勤も可能か自分自身に聞いてみよう。
- 居宅介護系事業の歴史が20年ほどある大手母体なら、撤退の可能性は低く安心。
- 給料や休みなど条件は民間企業の方が良いことが多い。⇒ただし営業の必要性あり。
- 企業により他の介護事業に配置転換の可能性あり。面接時に確認しよう。
看護師さんごとに職場に求めるものは違うと思うので、あなた自身がどんな環境で働きたいか、参考にしてください。
以上、山下智巳でした。
看護師のお仕事でこんなことが気になる、こういう内容の記事を書いてほしいなどのご意見があれば、ツイッターまたはお問い合わせフォームからご連絡ください。